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なぜ相手が大きくみえてしまうのか? [人間関係]

私の後輩がきて、「私は、就職の面接試験であがってしまい、しどろもどろの返答をしたので落ちてしまった。あがらない方法はないものだろうか」といっていた。

最近の若い人たちは、臆することがなくなり、あがるということもないように見受けられるが、いざとなればやはりあがるらしい。

ある化学会社に勤めているUという青年が、「私は、人前に出るとあがる癖があって、そのために損をしている」といっていた。

あがるということは、多かれ少なかれ誰にでもあることで、これを癖といえるかどうかは疑問である。
あがる癖があるという人は、<自分には、あがる癖がある>という自己暗示にかかっているからではないだろうか。

どんな場合に人前に出るとあがるかといえば、第一に、社長とか重役とか偉い上司の前に出たときであるが、からだがこわばってしまい、思うように言葉が出なくなる。
人によっては手や唇が震えてしまい、質問に対しても、しどろもどろの返事をするということになる。

第二に、会議や大勢の人前で話すときである。
ぼうっとしてしまい、いま自分で話そうとしていることまでわからなくなり、突拍子もないことをいってしまったりする。

いずれにしても、人前に出るとあがるということは、相手が自分より偉いとか優れているのだという暗示にかかり、不安や恐怖心から冷静さを欠き、判断力をマヒさせてしまうからである。

しかし、あがる癖は、直そうと思えば直るものである。

あがるというのは、経験不足からくることが多いので、慣れてくれば、次第にあがらなくなってくるものである。
だから、できるだけ多くの経験を積み、慣れることである。
社長の前にでも、会議にでも、尻込みせず出るようにすれば、あがらなくなってくる。
社内ばかりでなく、社外でも、数多くの場を踏めば、世慣れてきてあがらなくなってくる。
あがるからといって人前に出るのを避けていたのでは、いつまでたってもあがる癖は直らない。

つぎは、自分で工夫を凝らすことである。

まず、相手の暗示にかからない工夫をすることである。
偉い人の前に出るときは、<彼だってただの人間ではないか、負けてなるものか、仕事のことなら、自分のほうがはるかに詳しいのだ>と口の中で何度も繰り返してから前に出ればよい。

私も若い頃、社長に、捺印をもらいに行かされることがしばしばあったが、あがってしまい、質問に答えられなかったり、わけのわからない説明をしてしまうことがあった。
そこで、<社長だって同じ人間ではないか、偉そうに構えているが、自分と同じように晩飯も食べればトイレにも行く>と考え、社長がトイレで構えている姿を想像し、<アガラナイ、アガラナイ>と数度唱えてから前に出ることにした。
すると、このまじないが効を奏し、あがらなくなってしまった。

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会議の席上などでも、あがらないためには十分な準備をし、メモを用意して、何度も発言の練習をしていくことも必要ではあるが、他人の発言や会議の流れによって、自分の考えを訂正しなければならないことも起こってくるので、<ここに出席している連中だって、みなドングリの背比べではないか、ただ、もっともらしく発言しているにすぎないのだ。
自分より優れているとは思えない>と思い返してみることである。
このように思い返せば、落ち着いてきて、冷静に発言できるようになる。

あがるということは、意志が弱いために、相手の暗示にかかるからなので、強い意志力を養い、自分には、相手に負けない力があるのだという自己暗示をもって、自信をつけることが必要である。

「私は、議論になると、すぐあがってしまい、相手に言い負かされてしまうのです。
私にも、正しいと思う理屈はあるのですが、それが、咄嗟の場合忘れてしまい、出て来ないのです」といっているビジネスマンがいた。

こういうことは、よくある。
あとになってから、「ああいえばよかった」「こういって反論すればよかった」と悔むが、それに気がついたときは、あとの祭りである。
じだんだ踏んで悔しがっても、議論に負けてしまってからでは、どうしようもない。

こういうことになるというのは、これも相手の暗示にかかっているか、あるいは、瞬間的なことのため、意識が働く余裕がなかった場合である。

このような状態から抜け出すためには、まず、相手の暗示にかからない抵抗力を養う訓練をしなければならない。
それには、

1.強い意志力を養うこと
2.相手のいうことを疑ってみること
3.即時反応を避け、相手に圧倒されそうになったなら、廊下に出て深呼吸をするとか、トイレに立つとかして、気分転換をはかり、気持ちを新たにして、相手に向かうことなどを心がければよい
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