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ひび割れた鏡―ピーターパンシンドロームにとっての唯一の救い [人付き合い]

ピーターパン人間が味わっているのは、致命的なナルシシズムの病理ではない。
だからナルシシズムの特徴がすべて一緒になって、とてつもない破壊力を発揮するというわけではない。

たとえば、無頓着さのために失敗した場合にも、内心ひそかに自分の過ちを責めているし、カッと怒る場合には礼儀に反したと思い、謝罪の気持ちも起こる。
また、他人を利用する場合にも、人付き合いが怖いと言っても一人や二人の親友はちゃんといるわけだし、たとえ思考の魔術に耽っていても、思い込むほど自分が完全でない事実に気づき、失望することだってある。
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人付き合いの怖い
手当たりしだいのセックスにしても、彼を心から愛する女性と出会えば、彼女の力で鏡張りの独房から脱出できるかもしれない。
彼女の温かい心が彼のハートに触れることで、彼に助けを求める気持ちが起こり、危険を冒してでも自分の不完全さを見つめる勇気が湧いてくるはずだ。

ナルシシズムがピーターパンシンドロームの進行過程で、どんなふうに組み込まれていくかを、もっとよく理解するには、こう考えてみればいい。

「彼の閉じこめられている部屋の鏡には、いくつかのひびが入っていて、そこから現実の光が差し込んでいる。
ピーターパン人間にも、ひび割れからの光を頼りに、この部屋から抜け出して大人になるチャンスがある」と。
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