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せっぱ詰まったときが大切 [人間関係]

二人の上役から急ぎの用事を命ぜられ、どちらを先にするかに困ることがある。
事務を担当しているという女性から、つぎのような質問があった。

「係長から急ぎの仕事を頼まれ、それに取りかかったところ、課長から緊急の仕事だから大至急やってくれと、別な仕事を頼まれました。
あいにく係長は外出して不在です。
私は、先に頼まれた係長からのものを優先し、課長の分をあとにしたところ、課長から、自分の頼んだものを、なぜあとまわしにしたかと叱られてしまいました。
こういう場合どちらを先にするのが正しいのでしょうか」

どちらを先にするかは、TPOなどによってちがってくるので、いちがいにいえないが、一般的な考え方について述べてみよう。

第一に、まず、課長に、その仕事を何時までに仕上げればよいか、その日時をはっきりたずねることである。
仕事はすべて時間でしているのであるから、上役が日時を示さなければ、こちらからたずね、はっきり示してもらわなければならない。
このことは、係長在席の場合でも同じことだ。

日時を示してもらい、係長命令の仕事とのかねあいを考え、両方とも指定時間までにやり遂げる確信があれば、そのまま引き受ければよい。
この場合は、どちらを先にしようが問題はない。

第二に、もし、指定時間までにやり遂げられる確信がなければ、「係長からこれこれの急ぎの用事を命ぜられている」と率直に課長に話し、どちらを先にするかを課長にたずね、その指示を仰ぐべきである。
係長命令の仕事も課の仕事なので、課長は、どちらを早くすべきかは心得ているはずである。
適切な指示を与えてくれる。

第三に、この場合、ほかの同僚に手伝ってもらえば、両方とも指定時間までにできあがる見通しがあれば、課長にそのことを話し、了解を得た上で、同僚の力を借りることにすればよい。

第四に、前記二によって、係長命令の仕事を延期した場合は、係長が外出から帰ったならば、ただちに報告し了解を得る。

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急ぎの仕事がかち合い、係長不在のときにとるべき態度は、だいたい以上のとおりであるが、係長在室の場合でも、課長から、直接仕事を命じられることがある。
そういう場合はどんな仕事を命ぜられたかを、すぐ係長に報告することを忘れてはならない。
部下が、どんな仕事をしているか知らないとあっては、係長としての職責を果たすことはできないからである。

課長が仕事を命じるときは、その係に命じるべきで、個人に命じるべきではない。
係に対する命令は、その係を代表する係長を通して命令すべきである。
係長不在のときは、その代行者に命じるのが道筋である。
命令を受けた係長や代行者が、それを誰にやらせるかを決めればよい。
誰にやらせようと課長の関知するところではない。
必ず係長を通すのが命令系統なのである。
だから、このような問題は、必ず命令系統を通して行なうようにすれば、起こるはずはないのである。

しかし、職場の実態としては、大勢に影響のない、ちょっとしたことがらは、課長から直接担当者に頼むほうが、かえって煩わしくないということもあるので、ことがらの軽重や大小、影響の有無によって、命令系統を通さなくてもよいものと、通すべきものを、課長、係長間で申し合わせしておくことが望ましい。

なお、上司は、とかく自分の都合だけを考え、部下の都合を考えないで仕事を命じる傾向があるので、上司自身が反省しなければ、困るのは板ばさみになって苦しむ部下ばかりだ。
ミーティングなどの席上で、課長と話し合ってみるのも一つの方法である。
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