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休日は徹底して休め [人間関係]

Oさんは7年前にある国立大学を卒業し、現在は大手銀行に勤めている。

2年前の海外支店勤務も経験し、昨年春には、上司の紹介で美しい奥さんと新所帯をもった。

すべてに順風満帆、と言いたいところだが、このところ彼の顔色がさえない。

そのわけを聞いてみると、昨今の世界為替市場の相場変動によって、刻一刻と世界各国から”たったいま”の生々しい情報が入るようになり、うかうか席をはずしてトイレにもゆっくりと入るわけにもいかないとのこと。

仕事を離れたはずの夜中にも、ニューヨークやロンドンの市場をチラと思うだけできが休まらない。

ちょっとした電話の音に心臓がドキドキしたり胃のあたりがキューッと痛み、ひどくおびえて手足がサーッと冷たくなったりする。

睡眠も熟眠感がなく、朝になっても疲れがたまったままで、すっきりしないという。

Oさんにとって情報がストレッサーとなっているのだ。

一般に、生体は体外環境からの影響を受けながら、これらに対して生体機能を恒常的に維持しようとする調節機能をはたらかせて生きている。

この調節機能をもっとも大きく規定するものに生体リズムがある。

これまでこの生体リズムと健康との関連については、主として二つのテーマが問題として取り上げられてきた。

一つは海外旅行にともなう時差ボケ、もう一つは工場や病院などの勤務交代による夜勤疲れである。

しかしながらいまや世界の通信技術の発達によって、Oさんの例に見られるような”二十四時間丸ごとウォッチング”による燃え尽き症状が新しくクローズアップされてきたのである。

人間のからだは一日24時間を主な周期として異化と同化、活動と休息、覚醒と睡眠、緊張と弛緩といったリズムをくりかえすことによって、機能の恒常性を保っている。

昨今の情報化の急速な進展が過剰活動、過剰覚醒、過剰緊張などという過剰適応を強いるとき、”ウォッチング・シンドローム”とでもよびたいようなOさんの現実は決して他人事ではない。

このような外的な環境要因の変化が生体の恒常性(ホメオスタシス)を崩そうとするとき、私たちは活動と休息のバランスを意識してとることによって、健康な生体リズムを維持しなければならない。

いずれは世界市場を土・日曜とも休みにするなどの国際的な手だてや、職場でのバックアップシステムの整備といった組織ぐるみの工夫が必要となってくるであろうが、とりあえずは個々人としての解決策のいくつかを次にあげてみた。

1.家庭では休養をとる。たとえば仕事を家に持ち帰らず、会社の資料を自宅に設置しない。

2.残業で頭を酷使した日は体を動かす。たとえば一駅手前で降りてゆっくり歩いて家に帰る。

3.休日をきちんととる。ふだんから暇があればしたいと思っていながらしていないことを実現させる。

4.休日には頭を休める。たとえば時計を持たず、テレビ・ラジオを視聴しない。電話も使わないようにする。

もちろんこれらはほんの一部にすぎない。ぜひ、あなたらしい工夫をしてみることをおすすめする。
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